Amazon輸出における国際発送の基礎について解説
Amazon輸出ビジネスを始めるにあたり、国際発送は避けて通れない大きな要素です。
しかし、「国際発送って難しそう」と感じる方も多いでしょう。
この記事では、そんな国際発送の基本から追加費用、制限事項までをわかりやすく解説します。
ムラセ
兵庫県出身の56歳。北米アマゾン輸出ビジネスの現役プレイヤーであり、ビジネススクールの講師兼サポートも務めています。
大学卒業後は40代までIT企業のSEとして経験を積み、知人の紹介で輸出ビジネスに触れ、未経験ながらチャレンジ。
最初の1年は苦戦するも、1年半後にはサポート担当も始め、2年半で月商12万ドル(約1,300万強)、利益250万を超えることに成功。
今では年末商戦で月商3000万円以上の売り上げを達成できるまでになりました。
夢や可能性に挑戦することを大切にしており、他の人々の成功をサポートする喜びを感じています。
2023年度、年末商戦の売上
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Amazon輸出における送料計算の基本:容積重量と実重量の違い
Amazon輸出ビジネスを行う際、国際発送の送料計算は非常に重要な要素です。日本国内の宅配便とは異なり、国際発送ではいくつかの特別なルールが適用されます。
日本国内の宅配便との違い
- 日本国内の宅配便: 主に箱の大きさ(三辺の合計)で送料が決まります。
- 国際発送: 箱の大きさ(容積重量)と商品の実重量、この二つのうち重い方を基に送料が計算されます。
具体例での説明
- 60x40x40(cm)の箱に15kgの商品を詰めた場合
- 国内発送: 60 + 40 + 40 = 140サイズで送料を確認
- 国際発送: 容積重量 =( 60 ×40 ×40÷5000 ) = 19.2kg 実重量は15kgなので、19.2kgを基に送料計算
- 送料表の確認: 国際発送の送料表はkg単位で設定されているので、19.2kgに該当する部分を見て送料を確認します。
送料以外の追加費用:燃油サーチャージとピークサーチャージについて
Amazon輸出ビジネスにおいて、送料は大きなコスト要素ですが、それだけではありません。
国際発送には、燃油サーチャージやピークサーチャージといった追加費用がかかる場合があります。
燃油サーチャージ
- 定義: 燃油サーチャージは、燃料価格の高騰によって運送業者が追加で請求する費用です。
- 変動性: この費用は、業者や原油価格によって変動します。特に、原油価格が急激に上昇した場合、燃油サーチャージもそれに応じて上がる可能性があります。
ピークサーチャージ
- 定義: ピークサーチャージは、繁忙期(例:クリスマスシーズン、大型セール期間など)に発生する追加の手数料です。
- 影響: この手数料は、特に長距離の発送や大量発送において、無視できない額になることがあります。
計算への含め方
- 見積もり: これらの追加費用は、送料計算時に必ず考慮する必要があります。多くの運送業者は、燃油サーチャージやピークサーチャージを公表しているので、事前に確認しましょう。
- 予算設定: これらの追加費用が発生する可能性を考慮に入れ、適切な予算設定と価格設定を行うことが重要です。
送料効率を高める工夫
送料効率を高めるための工夫は、Amazon輸出ビジネスにおいて重要です。
送料はコスト要素の一つであり、ビジネスの利益率に大きな影響を及ぼします。
容積重量と実重量を近づける
- 空きスペースの活用:箱に余裕がある場合、小さな商品を追加することで送料を効率的に利用できます。
- 相互補完の商品組み合わせ: 容積重量と実重量が大きく異なる商品を組み合わせることで、相互に補完し合い、全体の送料を抑えることができます
具体例:例えば、重いが小さい商品(例:金属製の工具)と、軽いが大きい商品(例:クッションやぬいぐるみ)を一緒に送ることで、それぞれの「欠点」を補う形になります
商品価格合計と重量のバランス
- 商品価格合計に加えて重量も考慮し、発送金額(税抜き仕入れ価格合計)を20万円未満に制限することで、通関手続きを簡素化し、送料効率を向上させます。
補足:20万円未満は通関手続きが簡易通関で済みます。(より手数料かかりにくい簡易的なもの)
これらの対策を実践することで、Amazon輸出ビジネスの送料コストを最適化し、ビジネスの収益を向上させることが可能です。
Amazon輸出で送れるものの制限:航空危険物とその対処法
Amazon輸出ビジネスを展開する際、国際発送は避けて通れない要素です。しかし、すべての商品が簡単に国際発送できるわけではありません。特に注意が必要なのが「航空危険物」です。
航空危険物とは?
航空危険物とは、航空機での輸送中に火災や爆発、化学反応などを引き起こす可能性がある物資を指します。これには燃えやすいもの、有毒性があるもの、腐食性があるものなどが含まれます。
該当する商品例
- バッテリー内蔵の電子機器(スマートフォン、ノートパソコンなど)
- 爆発物や火薬
- ガス類(スプレー缶など)
- 特定の化学物質を含む液体や固体
- 放射性物質
これらは一例であり、他にも多くの商品が航空危険物に該当する可能性があります。
対処法:事前手続きと梱包
- 事前調査: まず、自分が輸出しようとしている商品が航空危険物に該当するかどうかを確認します。これには、航空会社や運送業者、関連する法規制を調査する必要があります。
- 適切な手続き: 該当する場合は、運送業者や航空会社に事前に申告し、必要な手続きを行います。これには、特別な書類の提出や許可の取得が含まれる場合があります。
- 専門の梱包: 航空危険物は、特別な梱包が求められる場合が多いです。これは、物資が破損したり、漏れたりすることによる危険を防ぐためです。
- ラベリング: 航空危険物であることを明示するラベルを商品に貼る必要があります。これは、運送過程での取り扱いに注意を促すためです。
- 運送業者との連携: 最後に、運送業者としっかりと連携を取り、特別な取り扱いが必要な場合はその旨を明示します。
米国への輸入制限:FBAと自己発送の違いと注意点
Amazon輸出ビジネスにおいて、FBA(Fulfillment by Amazon)と自己発送での販売では、購入者にとっての法的な意味合いが大きく異なります。特に食品や化粧品など健康被害のリスクがある商品に焦点を当てて解説します。
FBAと自己発送の違い
- FBA(Fulfillment by Amazon): この方法を選ぶと、購入者は「米国内での売買を行なった」とみなされます。そのため、米国の法律に基づいて責任を問われる可能性が高くなります。
- 自己発送: この場合、購入者は「海外の出品者の商品を自己責任で購入した」とみなされます。そのため、法的な責任が軽減される可能性があります。
食品や化粧品における注意点
- 成分表示: 米国で販売する食品や化粧品は、成分を英語で明示する必要があります。
- FDAの承認: 食品や化粧品は、米国の食品医薬品局(FDA)の承認が必要な場合があります。
- 健康被害のリスク: もし健康被害が発生した場合、FBAでの販売だと米国の法律に基づいて訴訟が起こる可能性があります。そのため、特にこれらのカテゴリーについては、最初は自己発送で慎重に取り扱うことをお勧めします。
その他の注意点
国際発送においては、関税や消費税、通関手数料なども考慮する必要があります。これらは目的地の国や地域、商品の種類によって異なるため、事前にしっかりと調査しておくことが重要です。
また、商品の梱包にも注意が必要です。国際発送では、商品が長い距離を移動するため、振動や衝撃によるダメージが考えられます。
そのため、しっかりとした梱包材を使用し、商品が動かないように固定することが推奨されます。
まとめ:Amazon輸出における国際発送の基本
Amazon輸出における国際発送は、多くの要素を考慮する必要があります。
それには、送料の計算方法、追加費用(燃油サーチャージ、ピークサーチャージ)、商品の制限、そしてその他の注意点(関税、消費税、通関手数料、梱包)などが含まれます。
しかし、これらの基本をしっかりと押さえておけば、国際発送は決して難しいものではありません。特に、航空危険物に関する制限や米国への輸入制限は、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
この一連の記事が、皆さんのAmazon輸出ビジネスにおける国際発送の理解と実践に役立てば幸いです。
参考資料
以上、Amazon輸出における国際発送の基本についてのまとめでした。何か疑問点や不明点があれば、遠慮なくお問い合わせください。