Amazonの小型軽量プログラムが欧米で廃止へ！詳細と販売業者と消費者への影響について解説

Amazonが米国に続き、ヨーロッパでも小型・軽量・低価格の商品向けに特化したフルフィルメントプログラムを廃止すると発表しました。

この変更は、販売業者と消費者にどのような影響を与えるのでしょうか。

今回は、このテーマについて詳しく解説します。

小型軽量プログラムの歴史と目的

2015年にAmazonが導入した「小型軽量プログラム」は、特に小さくて軽い商品の販売業者にとっては革新的な取り組みでした。

このプログラムにより、通常のFBA（フルフィルメントby Amazon）手数料が高くて利益が出にくい低価格商品でも、割引された手数料で販売が可能となりました。このプログラムの導入によって、多くの販売業者がAmazonプラットフォームでのビジネスを拡大しました。

購入者の利点

プライム会員でなくても、送料無料の配送サービスを受けることができます。
　※通常は25USD以上の購入で送料が無料となります。

販売者（セラー）の利点

販売手数料やFBA（Fulfillment by Amazon）手数料が割安になります。
　※低価格の商品では、販売の固定費やFBA手数料が割高に感じられるため、この問題が緩和されます。

対象条件

　・商品の寸法が18 × 14 × 8インチ（45.7ｘ35.6ｘ20.3cm）以下
　・商品の重量が3ポンド（1.36kg）以下
　・商品の価格が10ドル以下
　・新品商品のみ

アメリカの終了時期はいつ？そして新しいFBA料金の詳細とは？

アメリカAmazonの小型軽量プログラムは2023年8月29日で終了し、小型軽量商品の新規登録は2023年7月17日で締め切られています。

新しい低価格のFBA（Fulfillment by Amazon）料金は、現在のFBA料金に比べて1アイテムあたり平均で0.77ドル安くなります。ただし、小型軽量プログラムの料金と比較すると、約0.30ドル高くなる点に注意が必要です。

この新しい料金制度の利点は、商品が通常よりも迅速なFBAフルフィルメントスピードを享受できることです。

小型軽量プログラムとは異なり、販売業者はこの低料金を利用するために特別な登録手続きを行う必要はありません。

ヨーロッパでの影響と国別基準価格

ヨーロッパでは、この新料金体系が9月26日から適用されることになっています。Amazonは各国に基準価格を設定し、それに応じて新しいFBA料金が適用されます。

例えば、ドイツでは11ユーロ、フランス、イタリア、オランダ、スペインでは12ユーロが基準価格となっています。これにより、国ごとに販売戦略を考える必要が出てきます。

販売業者と消費者への影響

販売業者（セラー）への影響

1. 手数料増加: FBA手数料が高くなる可能性があるため、商品の利益率に影響を与えるかもしれません。
2. 配送スピード向上: 一方で、Amazonが配送スピードの向上を強調しているため、これが販売促進に繋がる可能性があります。
3. 戦略の再評価: プログラムが廃止されるため、FBA小型軽量商品を通常のFBAに切り替えるか、他の対応策を練る必要があります。
4. 価格上昇の可能性: 手数料の増加は、最終的に消費者価格に反映される可能性があります。

消費者への影響

1. 配送スピードの向上: Amazonが配送の速度向上を目指しているため、消費者は商品をより早く受け取ることができる可能性があります。
2. 価格上昇のリスク: しかし、販売業者が手数料増加を商品価格に転嫁する可能性があります。これが、特に低価格帯の商品で顕著になるかもしれません。
3. 選択肢の変化: FBA小型軽量プログラムの廃止により、一部の商品が市場から姿を消す可能性も考慮しなければなりません。

総合的に見ると、この変更は販売業者と消費者双方に影響を与える可能性があります。販売業者は新しい費用構造と配送速度を踏まえた戦略を練り直す必要があり、消費者は新しい価格設定や商品選択肢に適応する必要が出てくるでしょう。それぞれの立場で、変更に対する最適な対応を考える時期が来ていると言えます。

まとめ

Amazonの新しい料金体系の変更は、販売業者と消費者にとって重要なターニングポイントとなる可能性があります。

特に日本Amazonではまだ公式な発表がないため、突然の変更が発表される可能性も考慮しなければならない状況です。

販売業者にとっては、新しい料金体系と配送スピードの変更を踏まえ、最適な販売戦略を練り直す時期が来ています。

消費者もまた、この変更による様々なメリットとデメリットを把握し、それに適応する必要があります。

このような変更がeコマース業界、特にAmazonマーケットプレイスにどのような影響を与えるかは、今後の動きに大いに注目が集まるでしょう。